凪ちゃんとわたし 第1稿

凪のお暇最終回。凪ちゃんはゴンさんとも慎二ともお別れをしたけれど。慎二とのお別れはわかるけど。凪ちゃんとゴンさんは同じように人としても愛し合って、好き同士にも見えて。

だってゴンさんはメンヘラ製造機とも言われるけど、そこから変われた人のようにも見えるけど、これまでも今も変わらずに誠実な人で。凪ちゃんはそれを知っていて、ゴンさんが自分に与えてくれたものがなにかを見れる純粋な人で。そういう芯のところから二人は黄色くなれていたと思っていた。

でもそしたらなんで好きってだけじゃダメなの~~一緒に頑張っていけばよくない~~?って思ってもやもやしていた。

 

1日経ってもう一回観て思うのは、凪ちゃんも誠実な人だったんだなぁということ。

自分で、「今の私には美味しすぎる」って判断をしたら、その自分の決断に対して誠実で。今じゃないことがわかっている凪ちゃんは、ゴンさんからの甘いにおいも今じゃないって嗅ぐのをやめるんだ。

 

凪ちゃんはずっと芯の強い人だった。空気は読んでいたし飲み込まれてはいたけど、ゴンさんのことを一度も責めないし、慎二のことが嫌だと思ったら自分から離れていくし。相手を変えようとはしないんだ。そこはブレない人だった。

 

そのせいで自分が押しつぶされたり、空気を読むことになるとは思うけど、反対にそのおかげで人の視野を狭めたり強要したりはしないんだ。慎二と凪ちゃんのお母さんがた、それから慎二も、そこがブレる人たちだったけど。

 

すごいなぁ。今の私にはそれはできないし、しないけど、私は凪ちゃんを尊敬する。

私はきっと自分も人も変えようとしてしまう。今の私にとってゴンさんが美味しすぎると思っても、二人で黄色くなったなら、じゃあどうやってあの赤い実のまわりをつくれるか話し合うと思う。

誰かと生きていくのは一人で生きていけるようになってから、って言葉もよく聞くし、確かにそうだとうなずける。だけど私は誰かと一緒に芯を真っ赤にしていきたいし、黄色く熟れていきたいな。

 

凪ちゃんは別に花いちもんめで坂本さんだけを選んだわけではないのもわかってる。一人だけで生きていくことを選んだわけではないこともわかってる。誠実な凪ちゃんの判断も理解はできるけど、きっと今の私にとっての誠実な判断は、これだと思う。